はじめに 〜増える「自分で運ぶ」引っ越し需要~
引っ越しは新生活への期待とともに、多くの手間や費用がかかるものです。特に費用面で「できるだけ安く抑えたい」と考える方は多いのではないでしょうか。近年、引っ越し費用の高騰もあり、「業者に頼まず自分で運ぶ(セルフ引っ越し)」という選択肢を検討する人が増えています。
引っ越し費用高騰の現状
引っ越し費用は、時期や荷物の量、移動距離によって大きく変動しますが、全体的に高騰傾向にあります。特に3月から4月の繁忙期は需要が高まるため、通常よりも割高な料金設定になることが一般的です。一人暮らしで近距離の引っ越しであっても、業者に依頼すると数万円以上の費用がかかることがあり、この出費をどうにか抑えたいと考えるのは自然なことです。
「自分で運ベる?」と考える人が増える理由
このような費用高騰の背景から、「自分で運べないか?」と考える人が増えています。特に以下のような状況では、セルフ引っ越しが現実的な選択肢となり得ます。
- ・一人暮らしで荷物が少ない
- ・近距離への引っ越し
- ・軽トラックやレンタカーを自分で運転できる
- ・友人や家族などの協力者がいる
自分で運ぶことで、人件費や運送費を削減できるため、費用を大きく抑えることが可能です。
また、自分のペースで準備や作業を進められる自由度の高さも魅力の一つです。
「引っ越し費用を節約したいが、失敗は避けたい」
- ・引っ越し費用をできるだけ安く抑えたい方
- ・近距離の引っ越しを予定している方
- ・軽トラックやレンタカーを使って自分で運ぶか迷っている方
- ・軽業者に頼むか、自力でやるか判断材料が欲しい方
- ・一時的な荷物置き場に困りそうな方
こうした悩みを抱えた方へおすすめです。
自分で運ぶべきケースとそうでないケース、必要な準備や注意点が明確になり、「自分の場合はどうするべきか」を冷静に判断できるようになることを目指します。無理に自力での引っ越しを勧めるのではなく、あなたの状況に合わせた最適な選択ができるよう、多角的な情報を提供します。目次 [閉じる]

引っ越しを自分で運ぶメリット・デメリット
引っ越し荷物を自分で運ぶことは、費用面での大きな魅力がある一方で、注意すべき点も少なくありません。ここでは、セルフ引っ越しの主なメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
自分で運ぶメリット
自分で引っ越し荷物を運ぶことには、以下のようなメリットがあります。
- ・費用を大きく抑えられる
- ・自分の都合に合わせて日程や段取りを自由に調整できる
- ・少しずつ作業を進めることができる
①費用を大きく抑えられる
セルフ引っ越しの最大の魅力は、引っ越し費用を大幅に削減できる点です。
引っ越し業者に依頼する場合、人件費や運送費、梱包材のレンタル料などがかかり、数万円から数十万円の費用が発生します。
これに対し、自分で運ぶ場合は、レンタカー代やガソリン代、梱包資材費が主な出費となり、一人暮らしの近距離引っ越しであれば2万円程度に抑えられることもあります。
例えば、30km圏内の引っ越しの場合、単身で約15,000円~20,000円程度とされており、業者に依頼するより安価になる傾向があります。ただし、友人や知人に手伝ってもらった際は、お礼や食事代も考慮する必要があります。
②日程や段取りを自由に調整できる
引っ越し業者に依頼すると、繁忙期には希望の日程で予約が取れなかったり、時間指定ができないときがあります。しかし、自分で運ぶ場合は、車両の手配さえできれば、自分の都合の良い日にちや時間帯を選んで作業を進められます。
急なスケジュール変更にも柔軟に対応できるため、仕事の都合や私生活に合わせて自分で計画を立てやすいのがメリットです。
③少しずつの作業も可能
自家用車や近隣のレンタカーを利用できる場合、荷造りが済んだものから少しずつ新居へ運ぶことも可能です。一度に全ての荷物を運ぶ必要がないため、体力的な負担を分散でき、計画的に引っ越し作業を進められます。また、引っ越し先が近いときは、旧居と新居を何往復かして、自分のペースで荷物を運ぶこともできます。
自分で運ぶデメリット・注意点
メリットがある一方で、自分で運ぶことには以下のようなデメリットや注意点があります。
- ・重い家具・大型家電は大変
- ・壁や家財を傷つけるリスク
- ・人手や天候、体力面の不安
- ・計画次第で想定より高くつくことも
①重い家具・大型家電は大変
冷蔵庫や洗濯機、ベッド、タンスなどの大型家具や大型家電は、非常に重く、自分一人で運ぶのは困難です。運搬には専門的な知識やコツが必要なこともあり、無理に運ぶと、腰を痛めたり、家財を破損させるリスクが高まります。特に冷蔵庫は横向きに運ぶと故障の原因となることがあり、洗濯機は水抜き作業が必要です。
②壁や家財を傷つけるリスク
引っ越し作業に慣れていないと、旧居や新居の壁・床を傷つけたり、家財を破損させるリスクが高まります。賃貸物件の場合、傷をつけてしまうと退去時に原状回復費用を請求される可能性があり、かえって高くつくこともあります。引っ越し業者は養生などの対策を講じていますが、自分で運ぶ際は十分な注意が必要です。
③人手や天候、体力面の不安
自分で引っ越し荷物を運ぶ場合、荷物の運搬や積み下ろしなどの力仕事はすべて自分たちで行うことになります。手伝ってくれる人がいない場合は一人で全ての作業をこなす必要があり、非常に大きな体力的な負担がかかります。また、雨などの悪天候時には、荷物が濡れたり、滑って転倒する危険性も増します。悪天候に対応できる車両の手配や、荷物を保護する対策も必要になります。
④計画次第で想定より高くつくことも
費用の削減ために自分で運ぶことを選んでも、計画が不十分だと想定外の出費が発生することがあります。例えば、レンタカーの返却が遅れて延長料金が発生したり、友人に手伝ってもらったお礼が高額になるケースです。また、大型家具・家電の運搬だけを業者に依頼する場合、業者にまとめて依頼するよりも費用がかかる可能性もあります。遠距離の引っ越しでは、レンタカーの長期レンタルや高速料金がかさみ、業者に依頼する費用と大差なくなることもあります。
自分で運ぶのが向いているケース・大変なケース
自分で引っ越し荷物を運ぶかどうかは、個人の状況や荷物の量、移動距離などによって判断が分かれます。ここでは、自分で引っ越し荷物を運ぶことが向いているケースと、業者依頼を推奨するケースを具体的に解説します。
向いているケース
以下のような条件に当てはまるときは、自力での引っ越しを検討する価値が高いでしょう。
- ・単身・荷物が少ない
- ・近距離で軽トラックで1〜2往復
- ・協力者が確保できる
- ・スケジュールに余裕がある
①単身・荷物が少ない
一人暮らしで、かつ荷物がダンボール数個程度で大型家具や家電が少ない場合は、自分で引っ越し荷物を運ぶ選択が非常に有効です。普通乗用車や軽トラックで十分に運搬できるため、レンタカー費用も抑えられます。不要なものを事前に整理し、荷物を最小限にすることで、作業の負担も軽減されます。
②近距離で軽トラックで1〜2往復
引っ越し先が旧居から数km圏内の近距離であれば、軽トラックやワンボックスカーで1~2往復のみで全ての荷物を運ぶことができる可能性があります。移動距離が短いとガソリン代や高速料金も安く済み、レンタカーのレンタル時間も短縮できるため、費用を大幅に抑えられます。
③協力者が確保できる
友人や家族など、引っ越し作業を手伝ってくれる協力者が複数人いる場合は、自分での引っ越しのハードルが大きく下がります。特に大型家具や家電を運ぶことは一人では困難ですが、人手があれば安全かつ効率的に作業を進めることができます。協力者へのお礼は必要ですが、プロの業者に依頼するより費用を抑えられる可能性が高いでしょう。
④スケジュールに余裕がある
引っ越し日までに十分な時間がある場合も、自分で引っ越し荷物を運ぶ選択に向いています。荷造りから運搬、荷解きまで、自分のペースで計画的に進められるため、焦らずに作業できます。また、一度に運ぶことができなくても複数日に分けて作業したり、不要品の処分に時間をかけることも可能です。
業者依頼を推奨するケース
以下のような状況のときは、無理に自分で運ぶのではなく、引っ越し業者への依頼を強く推奨します。
- ・家族や荷物が多い場合
- ・エレベーターのない物件
- ・引っ越し日がタイト
- ・大型家電・家具が複数ある
①家族・荷物が多い場合
家族での引っ越しや、一人暮らしでも荷物が多い場合は、自分で運ぶことは非常に困難です。荷物の量が多ければ多いほど、梱包や運搬に膨大な時間と労力がかかり、車両も大型のトラックが必要になります。また、運ぶことだできずに何往復もすることになれば、時間も費用もかさむ可能性があります。
②エレベーターのない物件
引っ越し先の物件がエレベーターのない2階以上のとき、大型家具や家電の搬出・搬入はかなりの重労働になります。階段で運ぶ場合は、家財を傷つけたり、ケガのリスクが高く、プロの技術と経験が必要です。無理に自分で行うと、取り返しのつかない事態になりかねません。
③引っ越し日がタイト
引っ越し日まで時間的な余裕がない場ときも、業者への依頼が賢明です。自分で引っ越し荷物を運ぶことは、荷造りから運搬、荷解きまで全ての工程を自分で行うため、準備に時間がかかります。タイトなスケジュールでは、計画通りに進まず、引っ越し当日に荷造りが間に合わないなどのトラブルが発生しやすくなります。
④大型家電・家具が複数ある
冷蔵庫、洗濯機、ベッド、大型テレビなど、重くて大きい家電や家具が複数ある際は、自分で運ぶ選択は非常に危険です。これらの荷物は専門的な知識や適切な梱包、運搬方法が必要であり、誤った方法で運ぶと故障や破損の原因になります。特に、エアコンの取り外し・取り付けは専門業者に依頼すべき作業です。
セルフ引越しの手順と準備リスト
自分で引っ越し荷物を運ぶ決断をしたら、計画的な準備が成功の鍵となります。ここでは、セルフ引っ越しをスムーズに進めるための具体的な手順と、必要な資材・機材のリストをご紹介します。
事前準備:計画・スケジューリング
引っ越し作業は多岐にわたるため、事前にしっかりとした計画を立てることが重要です。
| 引っ越し日の決定 | 引っ越しを行う日を決めましょう。 繁忙期(3〜4月、9〜10月)はレンタカーの予約が取りにくくなる場合があるので注意が必要です。 |
| 荷物量の把握と処分 | 新居に持っていく荷物の量を把握し、不要なものは引っ越し前に処分しましょう。 粗大ゴミの回収は自治体によって日程が異なるため、早めに手配が必要です。荷物を減らすことで、運搬の労力や費用を抑えられます。 |
| 新居のレイアウト確認 | 新居の間取り図を参考に、大型家具や家電の配置を事前に考えておきましょう。荷物の搬入がスムーズになります。 |
| 協力者の確保 | 大型家具・家電の運搬など、一人では難しい作業のために、友人や家族に協力を依頼しましょう。早めに声をかけ、引っ越し日の調整が大切です。 |
| スケジュール作成 | 荷造り、運搬、荷解きまでの大まかなスケジュールを立てます。一人暮らしなら2〜3週間前から、荷物が多い場合は1ヶ月前からの準備が理想です。 |
必要な資材・機材の手配
セルフ引っ越しに必要な資材や機材をリストアップし、事前に手配しておきましょう。
- ・レンタカー(軽トラック等)
- ・梱包資材(ダンボール、毛布、養生材、ロープなど)
- ・台車、軍手
【レンタカー(軽トラック等)】
荷物の量や大きさに合わせて最適なレンタカーを選びましょう。
| 軽トラック | 荷物が少ない単身者や、近距離で往復できるときに適しています。積載重量は350kgまでが目安です。幌付きのタイプだと雨天時も安心です。 |
| ワンボックスバン | 軽トラックより多くの荷物が積め、雨に濡れる心配がありません。小回りが利き運転しやすいメリットがあります。 |
| 2トンショートトラック | 荷物が多い単身者や家族の引っ越しに適しています。大型家具・家電も積み込めますが、運転には普通運転免許(2017年3月12日以前取得)または準中型免許が必要です。 |
レンタカーの予約は早めに行い、ガソリン代や高速料金、乗り捨ての可否なども確認しておきましょう。
【用意するもの】
荷物を安全に運ぶために、適切な梱包資材を用意します。
| ダンボール | 荷物の量に合わせて十分な数を準備します。 ホームセンターやネット通販で購入できるほか、スーパーやドラッグストアで無料でもらえることもあります。重い本などは小さいダンボールに、衣類などかさばるものは大きいダンボールに入れるなど、サイズを使い分けましょう。 底が抜けないよう、ガムテープで十字に補強するのを忘れずに注意しましょう。 |
| 梱包資材(緩衝材、新聞紙、ビニール袋) | 割れ物を包むための緩衝材(プチプチ)、新聞紙、液体物の漏れを防ぐビニール袋などを用意します。 |
| ガムテープ、養生テープ | ダンボールの封や補強には丈夫な布テープを、家具の仮止めや壁の保護には跡が残りにくい養生テープが便利です。 |
| 毛布、古シーツ | 家具や家電を傷から守るための養生材として、不要な毛布や古シーツが役立ちます。レンタカーの荷台に敷いたり、家具を包むのに使います。 |
| ロープ | 荷物をレンタカーに積み込んだ際、荷崩れしないように固定が大切です。 |
【台車、軍手】
運搬作業の負担を軽減し、安全性を高めるための道具です。
| 台車 | 重いダンボールや家電を運ぶ際に非常に役立ちます。レンタカー会社で借りられることもあります。 |
| 軍手 | 荷物の運搬時に手を保護し、滑り止めにもなります。 |
梱包・積込み・搬入作業
準備が整ったら、いよいよ実際の作業です。
- ・荷造りの進め方とコツ
- ・大型家具・家電の取り扱い
- ・搬出・車への積み込み
- ・新居への搬入・配置
荷造りの進め方とコツ
- 使う頻度の低いものから梱包
シーズンオフの衣類、来客用の食器、あまり読まない本など、引っ越し後すぐに使わないものから先に荷造りします。 - 部屋ごとに分ける
荷解きの際にスムーズに進むよう、リビング、キッチン、寝室など、使う部屋ごとにダンボールをまとめましょう。 - 中身と行き先を明記
ダンボールの天面と側面に、中身(例:夏物衣類)、注意事項(例:ワレモノ注意)、新居での行き先(例:寝室クローゼット)を油性ペンで大きく記入します。すぐに使うものは「最優先」などの印をつけておくと便利です。 - 重さに注意
本や書類など重いものは小さいダンボールに少量ずつ詰め、腰を痛めないように注意しましょう。ダンボール1箱あたり、自分で持ち上げられる重さに抑えるのが基本です。 - 隙間を埋める
ダンボールの中に隙間があると、運搬中に荷物が動き、破損の原因になります。新聞紙やタオルなどの緩衝材を詰めて隙間をなくしましょう。
大型家具・家電の取り扱い
- 冷蔵庫
引っ越し前日までに中身を空にし、電源を抜いて水抜きを行います。横向きは、故障の原因となるため、立てたまま運び、ドアが開かないようにテープで固定します。 - 洗濯機
事前に給水ホースと排水ホースの水抜きが必要です。ホースや電源コードは本体に固定し、運搬中は横倒しにしないよう注意します。 - 組み立て家具
可能であれば分解し、部品をビニール袋に入れてまとめておきましょう。組み立て説明書や写真を撮っておくと、新居での組み立てがスムーズです。 - 養生
搬出入経路の壁や床、ドアを傷つけないよう、毛布やダンボールで養生します。マンションの管理規約で養生が義務付けられている場合もあるので確認が必要です。
搬出・車への積み込み
- 小さい荷物から搬出:
玄関や廊下などのスペースの確保のため、ダンボールや小物から先に運び出します。 - リレー方式
人手がいる場合は、リレー方式で荷物を運び出すと効率的です。 - 積み込み順序
新居で先に搬入したい大型家具・家電をレンタカーの奥に、小物類を手前に積むとスムーズです。重いものを下に、軽いものを上に積むのが基本です。隙間なく積むことで、荷崩れを防げます。
新居への搬入・配置
- 養生: 新居の壁や床も傷つけないように養生を行います。
- 大型家具・家電から搬入: 新居では、ベッドや冷蔵庫などの大型家具・家電から先に運び入れ、あらかじめ決めておいた場所に配置します。
- 最優先ボックスを開封: 引っ越し当日にすぐに使うもの(洗面用具、着替え、トイレットペーパー、充電器など)が入ったダンボールを最初に開け、最低限の生活ができる状態を整えましょう。
荷解き・資材の処分
- 計画的に荷解き: 無計画に複数のダンボールを開けると部屋が散らかってしまいます。使う頻度の高いものから一つずつ開けていき、収納場所に収めてから次の箱に移りましょう。
- ダンボールの処分: 荷解きで出た大量のダンボールは、自治体の資源ごみ回収に出す、引越し業者に回収してもらう、リサイクル業者に依頼するなどして処分します。自治体のルールを確認し、早めに処分しましょう。
自分で引越しをスムーズに進めるコツ
自分での引っ越しは、計画と工夫次第で費用を抑えつつ、スムーズに完了させることができます。ここでは、さらに効率的で安全に引っ越しを進めるための具体的なコツを紹介します。
ポイント①:不要品の整理で荷物を減らす
引っ越しは、家の中にあるものを見直し、不要なものを処分する絶好の機会です。荷物を減らすことで、運ぶのにかかる労力や費用を大幅に削減できます。
- 「今使っているか/使っていないか」を基準に判断
普段使っていないものや、1年以上使用していないものは、新居でも使わない可能性が高いです。思い切って処分を検討しましょう。 - 粗大ゴミの手配は早めに
大型家具や家電など、粗大ゴミは、自治体への申請や回収に時間がかかる場合があります。引っ越し日の1ヶ月前を目安に手配を始めましょう。 - 売却・譲渡も検討
まだ使えるものは、リサイクルショップやフリマアプリで売却したり、友人や知人に譲ることも検討しましょう。
ポイント②:荷物ラベル・小分け収納でミス防止
荷造りの工夫一つで、引っ越し後の荷解き作業が格段に楽になります。
- 詳細なラベル付け
ダンボールには、中身(例:書籍、夏物衣類)、新居での置き場所(例:リビング本棚、寝室クローゼット)、注意事項(例:ワレモノ注意、天地無用)を油性ペンで大きく、複数の面に記入しましょう。すぐに使うものは「最優先」と目立つように記載しましょう。 - 重いものは小分け
本や書類など、重さが集中しやすいものは、小さなダンボールに少量ずつ詰めます。一つの箱に詰め込みすぎると、運搬時に腰を痛めたり、ダンボールの底が抜ける原因になります。 - 液漏れ対策
液体調味料や洗剤などは、蓋をしっかり閉めた上でビニール袋に入れ、口を結んでからダンボールに詰めましょう。万が一漏れても他の荷物を汚すのを防げます。 - 小物類はまとめて収納
文房具や薬、充電器などの小物類は、種類ごとにファスナー付きのビニール袋などにまとめてからダンボールに入れると、荷解き後に散らばらず、探しやすくなります。 - 引っ越し初日セット
引っ越し当日や翌日に使う洗面用具、着替え、タオル、トイレットペーパー、充電器、簡単な調理器具などは、すぐに取り出せるように「最優先」のダンボールや、旅行用バッグなどにまとめておきましょう。
ポイント③:友人・配達ドライバーへの協力依頼
一人での引っ越しが難しいとき、協力者の存在は不可欠です。
- 早めの相談と日程調整
友人や家族に協力を依頼する際は、早めに声をかけ、相手の都合の良い日を確認して日程を調整しましょう。 - 具体的な依頼内容の提示
どのような作業を手伝ってほしいのか(例:大型家具の運搬、荷物の積み込み)を具体的に伝え、必要な時間を概算で伝えると、相手も協力しやすくなります。
近年では、配達ドライバーに荷物運搬だけを依頼できるサービスも増えています。レンタカーを借りて自分で運転するのが不安な場合や、人手が足りない場合に検討してみましょう。プラットフォーム上でドライバーを予約し、当日中に荷物を運んでもらえるサービスもあります。
ポイント④:安全対策・ケガや事故防止の工夫
安全に引っ越し作業を行うために、以下の点に注意しましょう。
- 動きやすい服装と滑り止め付きの軍手
動きやすい服装で作業し、滑り止めの付いた軍手を着用することで、荷物を運びやすくなり、ケガのリスクを減らせます。 - 無理な持ち運びはしない
重い荷物や大型家具は、無理に自分で運ぼうとせず、必ず複数人で協力して運びましょう。台車などの道具を積極的に活用していくことも大切です。 - 適切な養生
旧居・新居の壁や床を傷つけないよう、ダンボールや毛布で養生を徹底しましょう。特に賃貸物件では、退去時のトラブル防止のためにも重要です。 - 休憩を挟む
疲労が蓄積すると、集中力が低下し事故につながりやすくなります。適度に休憩を取りながら作業を進めましょう。
荷物を一時保管する選択肢と活用例
引っ越しには、荷物の量やスケジュールの都合で、一度に全ての荷物を運びきれない、あるいは新居にすぐに入居できないといった状況が発生することがあります。そのような場合に役立つのが、荷物の一時保管サービスです。
一度で運びきれない
自分で引っ越し荷物を運ぶ場合、レンタカーの積載量や手伝ってくれる人数の関係で、一度の運搬ですべての荷物を運ぶことができないケースは少なくありません。特に、荷物が多い単身者や大型の家具・家電がある場合は、何度も往復する必要が出てきます。
このような状況では、すぐに使う生活必需品だけを新居へ運び、残りの荷物は一時的に保管しておく方法が有効です。
【活用例】
軽トラックをレンタルしたが、予想以上に荷物が多く、数往復しても時間が足りない場合。
すぐに使うものだけを運び、残りの荷物を一時保管して後日ゆっくり搬入することが可能となる。
新居がすぐに使えない
旧居の退去日と新居の入居日の間にタイムラグがある場合も、荷物の一時保管が必要です。数日から数週間の期間、荷物を安全な場所に保管しておくことで、ホテル滞在や実家への一時帰省中でも安心して過ごせます。
【活用例①】自宅のリフォーム期間中、一時的に家具や家財を保管したい。
【活用例②】 旧居の契約が月末で切れるが、新居の入居は翌月の半ばから。
この期間、全ての荷物を一時的に預ける。
トランクルームや一時保管サービスの使い方
荷物の一時保管には、主にトランクルームや引っ越し業者が提供する一時保管サービスが利用できます。
トランクルーム
トランクルームは、荷物を保管するためのスペースを借りるサービスです。月額料金制が一般的ですが、最近では1日単位で利用できるサービスもあります。
- 【メリット】
- 多様なサイズ
荷物の量に合わせて0.5畳から数畳まで、様々なサイズのスペースを選べます。 - 保管環境
温度や湿度管理がされている屋内型トランクルームも多く、大切な荷物を安心して預けられます。 - 24時間出し入れ可能
運営会社によっては、24時間いつでも荷物の出し入れができるところもあります。 - 防犯対策
セキュリティシステムや防犯カメラが完備されている場所が多く、防犯面でも安心です。
- 多様なサイズ
- 【注意点】
- 利用料金
月額利用料の他に、事務手数料や会員登録費用がかかる場合があります。 - 運搬
基本的に荷物の運搬は自分で行う必要があります。 - 保管できないもの
危険物、貴重品、生ものなどは保管できません。
水抜きをしていない冷蔵庫も預かりを拒否されるケースがあります。
- 利用料金
- 【活用ポイント】
- 短期利用
1日単位で利用できるサービスは、短い期間だけ荷物を預けたいときに便利です。 - 長期利用
季節用品やコレクションなど、普段使わないけれど捨てられないものを保管する場所としても活用できます。
- 短期利用
引っ越し業者の荷物預かりサービス
一部の引っ越し業者では、引っ越し作業と合わせて荷物の一時預かりサービスを提供しています。
- 【メリット】
- 運搬の手間なし
引っ越し業者が運搬から保管まで一貫して行ってくれるため、自分で荷物を運び入れる手間が省けます。 - 短期間の保管に便利
短期間の預かりであれば、無料で対応してくれる業者や、運送料金に含めてくれるケースもあります。
- 運搬の手間なし
- 【注意点】
- 料金
保管料の他に、運搬作業費やオプション料金がかかる場合があります。荷物の量や期間によって変動するため、事前に見積もりを取りましょう。 - 出し入れの制限
保管期間中に頻繁に荷物の出し入れができないケースがほとんどです。 - 利用条件
新築やリフォーム時の一時預かりに限定されるなど、利用条件が設けられている場合があります。
- 料金
荷物の一時保管を検討の際は、保管期間、荷物の量、出し入れの頻度、予算などを考慮し、自分に合ったサービスを選びましょう。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
>>引っ越しの際の荷物の一時預かりサービスとは?サービス比較や料金などを解説

業者との比較と“賢い”判断材料
引っ越し荷物を自分で運ぶか、業者に依頼するか、その判断は費用だけでなく、手間、時間、リスクなど多角的に比較検討することが重要です。
ここでは、「セルフ引っ越し」と「業者利用」を比較し、状況に応じた最適な選択をするためのポイントを解説します。
セルフ引越しと業者、料金・手間・リスク比較
それぞれのメリット・デメリットを再確認し、あなたの引っ越しに適した方法を見つけましょう。
| セルフ引っ越し | 引っ越し業者 | |
| 費用 | 安く抑えられる | サービス内容によって変動 (繁忙期は高額) |
| 手間 | 膨大な時間と労力がかかる | 運搬、設置の手間が省ける |
| 時間 | スケジュールは自由に 決められる | 決められた時間内に対応 |
| 安心感 | プライバシーが保たれる | 万一の際は補償が受けられる |
上記まとめると、2パターンの状況で判断が必要です。
①費用重視・体力と時間に余裕あり
→ 自力引っ越しが合理的
②安全・時間・確実性重視
→ 引っ越し業者が合理的
ご自分の状況に応じて判断しましょう。
一部だけ業者へ頼むハイブリッド型
「費用は抑えたいが、体力や安全面で不安がある」という場合は、一部の作業だけを業者に依頼する「ハイブリッド型」の引っ越しも有効な選択肢です。
- 大型家具・家電のみの運搬依頼
- ・自分で運ぶのが難しい大型の荷物だけを専門業者に依頼する方法です。
それ以外の小物やダンボールは自分で運ぶことで、費用を節約しつつ、最も負担の大きい部分をプロに任せることができます。 - ・大型家具・家電の配送サービスは、各引っ越し業者や運送会社が提供しています。
料金は業者によって異なるため、相見積もりを取って比較検討しましょう。
- ・自分で運ぶのが難しい大型の荷物だけを専門業者に依頼する方法です。
- 荷物一時保管サービスの活用
- 先述の通り、退去日と入居日の間に期間がある場合や、一度に運ぶことができない場合に、トランクルームや引っ越し業者の一時預かりサービスを利用することで、スムーズに作業を進められます。
このようなハイブリッド型の引っ越しは、自分で運ぶメリットと業者に依頼するメリットを組み合わせることで、費用と手間、リスクのバランスを最適化できる可能性があります。
状況に合わせたベストな選択
最終的に、どの方法を選ぶべきかはあなたの具体的な状況によって異なります。以下のポイントを参考に、ご自身に最適な選択をしてください。
✔ 荷物量と内容
荷物が極端に少なく、大型家具・家電がない場合は自力。それ以外は業者やハイブリッド型を検討。
✔ 移動距離
近距離(数km圏内)なら自力でも可能。中距離以上になるとレンタカー費用や労力がかさむため、業者も比較対象に。
✔ 体力と時間
体力に自信があり、時間的な余裕があるなら自力。忙しい、体力に不安がある、引っ越し日がタイトな場合は業者に依頼。
✔ 協力者の有無
手伝ってくれる人がいるなら自力でのハードルは下がる。一人で全て行う場合は慎重な検討が必要。
✔ 予算
費用を最優先するなら自分で運ぶ(ただしリスク考慮)。安全や手間を重視するなら費用がかかっても業者を検討。
✔ 物件の条件
エレベーターの有無、通路の広さ、マンションの管理規約(自力引っ越し禁止など)も確認し、無理のない選択を。
自分で運ぶことの「安さ」だけに囚われず、ケガや家財損傷のリスク、時間的・体力的な負担、そして何より「引っ越しを成功させ、新生活を気持ちよくスタートさせる」という本来の目的を見失わないことが重要です。
複数の引っ越し業者から見積もりを取り、自分で運ぶ場合の費用と比較シミュレーションを行うことで、より賢い判断ができるでしょう。
「引っ越し 自分で運ぶ」を選ぶ前に最終チェック
引っ越しは、新生活を始める上で大きな節目となるイベントです。費用を抑えたいという気持ちから「自分で運ぶ」という選択肢を検討する方は多いですが、その判断は慎重に行う必要があります。
自分で運ぶことの適性を見極める
- 向いているのはこんな人
- ・荷物が少なく、大型家具・家電がほとんどない単身者。
- ・近距離の引っ越しで、何度か往復できる。
- ・友人や家族など、信頼できる協力者が確保できる。
- ・引っ越し日までに十分な時間的な余裕がある。
- 業者に頼むべきなのはこんな人
- ・家族での引っ越しや、荷物が多い場合。
- ・冷蔵庫や洗濯機など、重くて大型の家具・家電が複数ある。
- ・エレベーターのない高層階への引っ越し。
- ・引っ越し日がタイトで、準備に十分な時間を確保できない。
- ・体力に自信がなく、ケガや家財損傷のリスクを避けたい。
先述した通り、自分で運ぶことは費用節約の大きなメリットがありますが、身体的・精神的な負担や、予期せぬトラブルのリスクも伴います。自分の状況や能力を客観的に判断し、無理のない選択が大切です。
失敗しないための事前準備
セルフ引っ越しを成功させるためには、事前の計画と準備が不可欠です。
- 徹底した事前準備
荷物量の把握、不要品の処分、レンタカーや梱包資材の手配、協力者の確保は、早めに着手しましょう。特に大型家電の水抜きや、マンションの規約確認は忘れずに行います。 - 計画的な荷造り
使う頻度の低いものから始め、部屋ごと、種類ごとに梱包し、ダンボールには中身と行き先を明確に記入します。重いものは小分けに、液漏れ対策をするといった工夫も重要です。 - 安全対策の徹底
重い荷物は無理せず複数人で運び、台車などの道具を積極的に活用しましょう。旧居・新居の壁や床の養生を怠らないことで、トラブルを防ぎます。 - 柔軟な対応
一度で運びきれない場合は一時保管サービスを利用するなど、状況に応じて最適な方法を柔軟に取り入れましょう。
「節約・安全・効率」のバランスを大切に
「自分で運べば安く済む」というのは事実ですが、その裏には多くの労力やリスクが隠されています。引っ越しは単に荷物を運ぶだけでなく、新生活を気持ちよくスタートしていくための大切なプロセスです。
費用だけでなく、あなたの体力、時間、安全性を考慮し、最もバランスの取れた引っ越し方法を選びましょう。
全てを自分で運ぶことが難しいと感じたら、一部だけ業者に依頼するハイブリッド型や、単身者向けのリーズナブルなプランを提供している引っ越し業者への相談も検討してみてください。
賢く、そして安全に引っ越しを乗り切り、快適な新生活を迎えられるよう、この記事が、あなたの状況に合った引っ越し方法を考える際の、ささやかなヒントになれば嬉しいです。
一時保管に最適!トランクルームを借りるならドッとあーるコンテナ!
引っ越し費用を安く引っ越ししたくても、繁忙期で自分の都合に合った引っ越し業者がみつからない、荷物を減らしたいけどどうしたらいいのかわからない、など引っ越しを不安に思われる方も多いのではないでしょうか。
そんなときに便利なのが、ドッとあ〜るコンテナのトランクルームです。
24時間いつでも出し入れができるため、引っ越し当日に運ぶ荷物を最小限に抑え、安い時期や条件を選びやすくなります。トランクルーム内は空気孔による湿気対策が施され、防犯カメラや頑丈な南京錠など安全面にも配慮されているため、家具や家電、衣類、思い出の品まで安心して保管できます。
東京をはじめ関東・東海・九州など全国に展開しており、WEBで契約が完結できる点も忙しい引っ越し準備には心強いポイントです。引っ越しを自分のペースで進めていきたいという方は、一時保管という選択肢を取り入れることで、費用と手間を抑えながら、余裕を持って新生活をスタートさせることができます。ぜひご相談ください。
トランクルームをお探しの方へ
- ・家の近くにサイズ感が合うトランクルームがあるか知りたい
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