特色

北葛飾郡松伏町（まつぶしまち）は、埼玉県の東部に位置し、 越谷市・吉川市・春日部市・千葉県野田市に隣接する緑と水に恵まれた穏やかな町です。 面積は約16平方キロメートル、人口は約2万9千人（令和6年時点）で、 自然の豊かさと落ち着いた住宅環境が調和した“ちょうどいい規模”の町として知られています。 町の南側には中川、北側には古利根川が流れ、 町全体がゆるやかな低地に広がっています。 そのため、古くから稲作が盛んで、現在も田園風景が残る地域が多く見られます。 春には水田に水が張られ、夏には青々とした稲穂、秋には黄金色の稲が風に揺れる―― そんな四季の移ろいを感じられるのが松伏町の魅力です。 一方で町の中心部には住宅地や公共施設が整備され、 静かな暮らしと利便性を兼ね備えた環境が整っています。 松伏町の中心は「松伏記念公園」周辺エリア。 ここには町役場や文化施設「田園ホール・エローラ」、 スポーツ施設「松伏総合公園野球場」「テニスコート」などが集まり、 町民の活動と交流の中心地となっています。 特に田園ホール・エローラは、国内外のアーティストが演奏会を開く本格的ホールとして知られ、 町の文化拠点としても高い評価を受けています。 また、町内には大小さまざまな公園や緑地が点在し、 「まつぶし緑の丘公園」はその代表的存在です。 約20ヘクタールの敷地を持ち、四季の花々が咲き誇る花畑や広大な芝生広場、 ビオトープ、水辺の遊歩道などが整備されています。 休日には家族連れやジョギングを楽しむ人々でにぎわい、 町外から訪れる人も多い人気スポットです。 交通面では鉄道駅がないものの、 「越谷レイクタウン駅」「吉川駅」「南桜井駅（春日部市）」などが隣接エリアにあり、 町内からバスや車で10〜15分程度でアクセス可能です。 また、東武バスセントラルや町営の「まつぶし町内循環バス」が運行し、 町内の住宅地・役場・商業施設・学校を結んでいます。 さらに、車では「国道16号」「県道松伏春日部線」「県道越谷野田線」などが通っており、 越谷・春日部・吉川・野田方面への移動もスムーズです。 生活環境は静かで落ち着いており、 近年では越谷レイクタウンや吉川美南エリアへの通勤圏として住宅需要が高まっています。 大型商業施設や医療機関が近隣にあるため、 松伏町に住みながら都市部の利便性も享受できるのが魅力です。 町内にも「ヤオコー松伏店」「ドラッグストアセキ」「松伏ショッピングセンター」など、 日常生活に必要な店舗が揃っています。 教育・子育て環境も整っており、 公立の小中学校のほか、保育園や児童館が充実しています。 また、町立図書館や音楽ホールなどの文化施設も多く、 子どもから高齢者まで幅広い世代が安心して暮らせる環境が整備されています。 近年では、子育て支援事業や学童クラブの拡充など、 「住み続けたい町」を目指した取り組みも進んでいます。 産業面では農業が中心ですが、 町の北部・西部では工業団地や物流施設も立地し、 首都圏物流ネットワークの一端を担っています。 また、地元農産物の直売所「まつぶし農産物直売所 あぐり松伏」では、 採れたての野菜や果物、米などが販売され、地域の交流拠点となっています。 このように松伏町は、**自然・住宅・文化が調和する“やすらぎのまち”**です。 都心から約30km圏という利便性を持ちながら、 四季を感じる自然環境とゆとりある生活空間が広がる松伏町は、 今後も東埼玉エリアの穏やかな住環境都市として注目されています。

交通情報

松伏町（まつぶしまち）は、埼玉県東部に位置する鉄道駅のない町として知られています。 しかし、町全体にわたってバス交通と幹線道路網が充実しており、 越谷市・吉川市・春日部市・野田市などの主要都市へのアクセスは良好です。 通勤・通学・買い物など、日常生活においても利便性の高い交通環境が整備されています。 町内の公共交通の中心となるのは、**松伏町内循環バス（まつぶし町バス）**です。 このコミュニティバスは、町民の生活動線を考慮して運行されており、 「松伏役場」「松伏記念公園」「田園ホール・エローラ」「まつぶし緑の丘公園」などの主要施設を経由します。 また、越谷レイクタウン駅・吉川駅・南桜井駅など、 周辺自治体の鉄道駅へ直接アクセスできるルートも設定されているため、 通勤や通学にも利用しやすい交通体系となっています。 料金はリーズナブルで、地域の高齢者や学生にも広く利用されています。 鉄道は町内に乗り入れていないものの、周辺の鉄道駅へのアクセス時間が短いことが特徴です。 町の南部からはJR武蔵野線「越谷レイクタウン駅」へ約10分、 西部からは同じく武蔵野線「吉川駅」へ約15分、 北部からは東武アーバンパークライン「南桜井駅（春日部市）」へ約10分ほどで到達可能です。 これらの駅を利用すれば、東京・大宮・柏方面へ直通で移動でき、 都心通勤者にとっても十分な利便性があります。 自動車での移動も非常に便利です。 松伏町を南北に走る「県道松伏春日部線（県道42号）」や、 東西を結ぶ「県道越谷野田線（県道19号）」が町の主要道路として機能しています。 県道越谷野田線は越谷市方面・野田市方面の主要ルートであり、 国道16号や常磐自動車道、首都圏中央連絡自動車道（圏央道）などへのアクセスも容易です。 特に車で15分ほどの場所にある「常磐自動車道 流山IC」や「外環道 三郷南IC」を利用すれば、 東京・千葉・茨城方面への移動がスムーズに行えます。 また、松伏町は自転車での移動がしやすい町としても知られています。 町の地形は平坦で、主要道路沿いや河川沿いには歩道・自転車道が整備されています。 特に「中川沿いのサイクリングロード」や「まつぶし緑の丘公園〜古利根川沿いルート」は、 通勤・通学だけでなく休日のレジャーにも利用されており、 安全かつ快適に移動できる環境が整っています。 バス交通では、東武バスセントラルによる路線も運行されています。 松伏町と越谷駅・せんげん台駅・春日部駅を結ぶ路線があり、 鉄道利用者のアクセスをサポートしています。 一部路線では、平日朝夕に増便が行われ、 通勤時間帯の混雑緩和にも対応しています。 さらに、町は高齢者・子育て世帯向けに交通支援制度を整備し、 バスやタクシーの利用補助を通じて生活の足を確保しています。 このように松伏町では、鉄道に依存せずとも、 道路・バス・自転車を活用した多層的な交通システムが構築されています。 越谷・吉川・春日部・野田といった近隣都市との接続が強く、 買い物・通勤・通学・医療・行政などの生活圏が広く連携している点が特徴です。 鉄道駅がない不便さを感じさせないほど、 地域に密着した交通インフラが整っており、 「車を持たなくても暮らせる」「子どもから高齢者まで移動しやすい」町として、 松伏町は東埼玉エリアの中でも独自の快適な生活圏を形成しています。

観光情報

北葛飾郡松伏町（まつぶしまち）は、埼玉県の東部に位置する自然と文化が調和した穏やかな町です。 町の南を中川、北を古利根川が流れ、町全体に田園風景が広がっています。 東京から約30km圏内という立地ながら、今もなお豊かな自然が残り、 「静かに過ごせる町」「日常の中で癒される場所」として注目されています。 松伏町を代表する観光スポットは「まつぶし緑の丘公園」です。 約20ヘクタールの広さを誇るこの公園は、 町のシンボルとして県内外から多くの来訪者が訪れる人気のレジャースポットです。 園内には四季折々の花が咲く花畑、バーベキュー広場、 湿地帯を生かしたビオトープ、木道や展望丘などが整備され、 自然を感じながらのんびりと散策できます。 春は菜の花や桜、夏はひまわり、秋はコスモスが咲き誇り、 季節ごとに違う表情を楽しむことができます。 特に休日は家族連れやカメラ愛好家でにぎわい、 町の魅力を体感できる場所として人気を集めています。 文化面では、「田園ホール・エローラ」が松伏町のランドマーク的存在です。 本格的な音響設備を備えた多目的ホールで、クラシックコンサートや吹奏楽演奏会、 地域の発表会などが定期的に開催されています。 全国から演奏家が訪れることも多く、町の規模を超えた文化施設として高い評価を得ています。 ホール周辺には「松伏記念公園」「松伏総合運動公園」があり、 野球場・テニスコート・広場が整備され、スポーツやピクニックにも最適です。 春には桜並木が満開となり、夜にはライトアップされた幻想的な景観も楽しめます。 また、町を代表する文化イベントとして「松伏町産業まつり」があります。 毎年秋に開催され、地元農産物の直売、飲食ブース、ステージイベントなどが行われる町最大のイベントです。 地元商店や農家が参加し、特産品である新鮮野菜や手づくり加工品を販売。 子ども向けのワークショップや音楽ライブなどもあり、町民の交流の場として賑わいます。 ほかにも「松伏町花火大会」や「まつぶし緑の丘公園まつり」など、 季節ごとに自然と人がつながる催しが行われています。 自然とふれあう観光としては、「中川沿いのサイクリングロード」もおすすめです。 見沼代用水や古利根川といった水辺を眺めながら、 のどかな田園風景の中をゆったりと走ることができます。 春には菜の花が咲き誇り、夏には川風が心地よく、 ウォーキングやジョギングにも人気のコースです。 また、沿道には小さな神社やお地蔵さまが点在しており、 歴史を感じながら町の風景を楽しめるのも魅力です。 地元の味覚を楽しむなら、「まつぶし農産物直売所 あぐり松伏」がおすすめです。 松伏町で採れた新鮮な野菜や果物、米、手づくり惣菜などが販売され、 地元住民だけでなく、近隣市からも多くの買い物客が訪れます。 季節ごとに旬の食材が並び、農家の方との会話を楽しみながら買い物ができる、 地域密着型の人気スポットです。 また、町内には古くからの信仰を伝える「金杉氷川神社」「松伏香取神社」などがあり、 歴史ある社叢と落ち着いた雰囲気が訪れる人の心を和ませます。 正月の初詣や夏祭りでは地元の人々が集い、 地域の絆を感じられる行事として大切に受け継がれています。 このように松伏町は、自然・文化・地域交流の三拍子がそろう穏やかなまちです。 華やかな観光地ではありませんが、 自然の美しさや人の温かさ、そしてゆったりとした時間の流れが魅力であり、 「日常の中に癒しがあるまち」として、多くの人に愛されています。

歴史や変貌

松伏町（まつぶしまち）は、埼玉県東部の北葛飾郡に属し、 古くから水と田園に育まれた農村地帯として発展してきました。 町の南北を中川と古利根川が流れ、豊かな水資源に恵まれたことから、 稲作を中心とした農業が栄え、人々の暮らしと密接に関わってきました。 「松伏」という地名は、古くは「松ノ木が伏すように生えていた土地」や 「松林に守られた村落」といった意味に由来するといわれています。 江戸時代の地誌にも“松の多い静かな田園の里”として記録されており、 この自然豊かな風景が今も町の随所に残っています。 松伏町の歴史は古く、縄文・弥生時代の遺跡や古墳が発見されており、 この地が古代から人々の生活圏であったことがわかります。 中世には武蔵国の一部として武士や農民が居住し、 鎌倉・室町時代には周辺地域とともに農村社会が形成されました。 その後、江戸時代に入ると、徳川幕府による治水・新田開発が進み、 中川・古利根川・綾瀬川の流域が整備されます。 これにより水害が減少し、米の生産量が飛躍的に向上。 松伏周辺は「江戸の米どころ」として知られるようになりました。 当時は「松伏村」として複数の集落が存在し、 村の中心には鎮守の「香取神社」「氷川神社」などが建立され、 地域の信仰と共同体の象徴となりました。 祭りや年中行事は今も続いており、 古くからの人と人とのつながりを感じる文化が息づいています。 明治時代になると、廃藩置県とともに行政区画が整理され、 現在の北葛飾郡に属する「松伏村」「金杉村」「田中村」「大川戸村」などが誕生します。 明治22年（1889年）の町村制施行により、これらの地域が合併して「松伏村」となり、 農業を中心に静かな発展を遂げていきました。 この時代、見沼代用水や中川の灌漑網が整備され、 水田地帯としての生産性が向上します。 松伏の米や野菜は越谷・野田方面を経て江戸（のちの東京）にも出荷され、 地域経済を支える基盤となりました。 昭和に入ると、国道16号や県道越谷野田線の整備が進み、 周辺都市との往来が活発になります。 特に昭和40年代以降は、越谷市や春日部市の都市化の影響を受け、 松伏町にも宅地開発が進行。 農村地帯だった地域に住宅が立ち並び、 東京・越谷方面へ通勤する人々が増えたことで、 ベッドタウンとしての性格を強めていきました。 1972年（昭和47年）には、町制が施行され「松伏町」が誕生。 役場や公共施設の整備が進み、町としての形が整っていきます。 昭和50年代には町の中心に「松伏記念公園」や「田園ホール・エローラ」が完成し、 文化・芸術の拠点が生まれました。 さらに平成に入ると、都市近郊型の住宅地整備が進み、 人口の増加とともに町の機能が拡大していきます。 2000年代以降は、「まつぶし緑の丘公園」や町営循環バスの運行など、 “住みやすさ”を重視したまちづくりが本格化しました。 一方で、農業や自然との共存も大切にしており、 「あぐり松伏」に代表される直売所の運営や、農業体験イベントなど、 地域の伝統と生活文化を未来へつなぐ取り組みが続けられています。 現在の松伏町は、古くからの田園文化を残しながらも、 越谷レイクタウンや吉川美南など周辺都市と連携し、 “緑と暮らしが共生する町”として発展を続けています。 水と土に支えられた歴史を礎に、 人の温かさと自然の豊かさを感じる町――それが松伏町の今です。